弁護士に依頼するタイミング

1 顧問弁護士がいないのであれば「今」がタイミング

自動車を利用するほとんどの人が自賠責保険だけでなく任意保険に加入していることと思
います。
しかし,事業を営んでいる個人事業主や中小企業ではその多くが顧問弁護士を付けていま
せん。
個人が交通事故に遭う確率よりも事業者が何らかの法律トラブルに遭遇する確率の方が高
いことからすれば,自社に顧問弁護士がいない状態は,ある意味無保険で車を運転するよ
うな危うさがあると思います。
このページをご覧いただいている方は,弁護士との顧問契約をご検討されているか,現在
トラブルに見舞われて弁護士を探されていることと思います。
特に前者であればせっかくの機会ですので,ホームページなどで情報収集の上,実際に何
件かご面談に行かれ,顧問弁護士候補を見つけておくことをお勧め致します。
後者の場合は同じような紛争を二度と繰り返さないために弁護士との顧問契約をご検討さ
れることをお勧め致します。
では,弁護士との顧問契約のメリットとはどういったものがあるのでしょうか。

2 トラブルを未然に防ぐ必要性

まず,トラブル化しそうな「予兆」の段階で早期に弁護士に相談ができるというメリット
があります。
紛争が起きてから相談するよりも紛争が起きる前に相談した方が,その紛争の予防・解決
にかかるコストをかなり低減できることが多いです。

3 トラブルを早期に終息させる必要性

次に,自社の内情をよく理解している顧問弁護士がいることで,いざトラブルが紛争化し
た際であっても適切な対処をスピーディに実施できるというメリットがあります。
弁護士にスポットで紛争解決を依頼する場合,まず弁護士探しから始めなければなりませ
ん。この場合,弁護士選びにも時間がかけられませんし,相談に行っても必ず依頼を受け
てくれるとは限りませんので依頼を受けてくれる弁護士を探すにも一苦労することがあり
ます。そして,ようやく弁護士への正式依頼をしたとしても,その弁護士は貴社の内情を
全く知りませんので,まずその情報共有からしていかなければ弁護士が紛争の実態を把握
することができません。そのため,弁護士が実際に紛争解決に介入するまでに時間がかか
り,もたついている間に紛争の相手方に先手をとられかねない状況になることもあります

4 顧問契約はむしろコスト低減につながる

顧問契約をしても相談することがないという企業様もまずは弁護士と自社の最近の状況を
雑談してみましょう。
X社代表「最近の近況ですが,A社と大きな契約をする予定です。」
弁護士 「契約書を拝見してもよいですか。」
X社代表「契約書はありません。発注書だけです。」
弁護士 「契約書は作った方が良いです。業界慣行的に契約書を作ろうとすると取引相手
が取引を辞退するようなリスクがあるのですか?」
X社代表「そのようなリスクはありません」
弁護士 「では契約書を作りましょう。ところで契約書を作らず過去トラブルになったこ
とはありませんでしたか」

X社代表「以前ありました。代表取締役の私が火消しに回って何とか納めました。」
弁護士 「その時も顧問契約をしていればトラブルにならずに済んだと思います。売り上
げに影響はなかったのですか?」
X社代表 「売り上げが落ちましたし精神的にもきつかったです。」
このご相談は実際にあったご相談内容をシンプルにしたものです。減収+代表にかかった
大きなストレスと顧問料を天秤にかければ結果として後者の方が断然低コストでした。
この事例は極端なケースかもしれませんが,毎月の顧問料が無駄なコストだと思われてい
るのであれば,「お金を支払っている以上はしっかりと顧問サービスを受ける。」という
意識で,何も起こっていないと思っていても定期的に弁護士へ近況を雑談交じりに近況報
告をしてみましょう。思わぬ落とし穴にハマるリスクを回避できることもあるかもしれま
せんし,自社の法務意識が向上し,トラブルに遭いにくくなっていくことと思います。

5 ちょっとしたことを気軽に相談できる重要性

上記のように,弁護士に個別に相談したり依頼したりするまでもないと思いがちな相談事
を気軽に弁護士にご相談いただけるという環境にあることは非常に重要です。
顧問弁護士がいない場合,「ちょっと気になるから相談しておいた方が良いだろうか。」と
思っても,腰が重くて上がらず,後回しにしてそのまま相談しないということが大半でし
ょう。また,ご自身で調べるにしても調べ方を知らない場合,調査に要するコストがかえ
って高くつきます。さらに,都度一から弁護士を探して法律事務所選びのため何件か相談
に行くのも大変です。
顧問弁護士がいるのであれば,「せっかく顧問料を支払っているのだからちょっとでも使
わないと。」という意識でちょっとした相談を気軽にしていただけ,これが意外とその企
業様のリスク回避につながります。

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